チームインタビュー緣志さん4本目です。
今回は「限定参加」について。
前回までの記事でも書いていますが、緣志さんは限定参加を一切取りません。
それについて、
- ・何故取らないのか
- ・限定参加のデメリットは?
- ・闇の部分(言い過ぎ?)のお話
- ・更にはよさこい界の今後に与える影響
などなど語っていただきました。
何気なく限定募集をしているチームさん、
興味本位で限定を渡り歩いている踊り子のあなた、
是非読んでみてください。
目次
1.どまっぷも言わせて!
ひと昔前は新規チームを立ち上げ当初、メンバーは5人とか、多くて10人とかが当たり前でした。
そして地道に活動を続けていきながらメンバーを増やしていくっていうやり方。
よっぽどのことがない限りスタート初年度から40人、50人なんてまず無理なわけです。
(もちろんチームのやり方次第ではこの限りではありませんが)
でも今はそれがとっても簡単にできてしまいます。
それは何故か。
「限定参加」があるからです。
限定参加とは「そのお祭りだけ参加する」という期間限定で参加してもらうことを言います。
その場合多くはメインのチームに所属している状態で別のチームに限定参加するということです。
限定参加を募集するチーム側のメリットとしては、
- ・演舞の見栄えのよさを出すため
- ・単純に数人だけで人前で踊りたくないから
- ・限定参加で来てくれた方にチームの魅力を感じてもらってあわよくば入ってほしい
というものなどがあります。
この限定参加募集は今や当たり前かのように広がっており、
メンバーが少なかったら「え?限定参加募集すればいいじゃん」
みたいに限定参加に対するハードルがけっこう下がってきているなと感じます。
で、それについてなんかずっと違和感のようなものを感じています。
なんかその気軽さが優先されているような感覚がなんかおかしいなーってことです。
また、限定参加で参加する踊り子的にはメリットばかりです。
いや、メリットというか、踊り子に「都合の良い」と言った方が正しいのかも。
この辺りはインタビューで触れていますのでここでは割愛しますが。
この2つ。
チーム側の限定募集に対する考えの甘さ
それに参加する踊り子側の都合の良さ
これらについてやはり長くやられている分緣志さんと意見が合うところもあり、
バシッと語ってもらいました。
2.限定参加は諸刃の剣
どま:そう、緣志さんは限定参加を取らないってことがひとつ他のチームと違うところだと思うんだけどそれってどのような理由があるんですか??
たくみ:限定のイメージって・・・「(限定参加する側の)美味しいとこどり」じゃないですか。
どま:それ。まじそれ。出たいときに出たいチームで出て。
たくみ:で、その子にとってはそれがひとつのステータスみたいになっちゃって。
チームにとっても振り付けを覚えたらそれ以降練習に来ない人もいて、
絶対練だけは来るけどそれ以外は来なかったりっていう。
どま:「〇〇で踊ったことあるよ」っていうステータスね。自慢にしがちだよね。
それで振り付け覚えたら練習来ないって、ハッキリ言って踊りなめてるよね。
たくみ:僕とかてかるとかやりだした時って「限定」っていう文化がそもそもなくて、
仲良いチームで踊らせてもらえるっていうのが限定の先駆けなんですよね。
その時って絶対そのチームにも自分のチームにも迷惑をかけてはいけない。
自分のチームの代表が行ってもいいよって言ってもらえる人間にならないと行かせてもらえなかったですよね。
でも今はそういう限定の敷居がぐっと下がってますよね。
てかる:で、めっちゃ嫌なのが「(限定参加を)遊びに行く」って言うじゃないですか。
なんか違いますよね感覚が全く。
どま:そうそう!わかるわかる!かるーく他のチームの敷居を跨いじゃうよね。
たくみ:そういうのもあって今限定チーム渡りで1年がまかり通っちゃう状況。
てかる:そういう「よさこいフリーター」いますよね。
たくみ:あと自分のチームに対して看板を持てることって、もちろん実績があるチームとか大事だと思うんだけど、
実績が取れないチームってどんどん外に行きたくて仕方が無くなっちゃって
自分のチームに対するプライドがどんどん薄れていっちゃう。
ってなると抜ける原因になっちゃう。
だから緣志は「限定を取らない」っていう一つのブランドにしちゃえば
その子がそのチームにいるということが看板が持てるかなって。
うちのチームの子たちは緣志にいることだけですごいもてはやされるんですよね。
どま:逆に緣志にいる子は限定に行ってもいいの?
たくみ:それは全然OK。
だけどチームのルールは昔に近いルール、絶対に迷惑かけるな許可をとらないと許さないとかありますね。
たくみ:限定を取りすぎちゃうと、
「いつでも行けるチーム」
「正規が集まらないチーム」
になっちゃうから負のサイクルに入ってっちゃう。
良い作品を作るには、ファイナルに行くためには、人数が必要。
でもなかなか集まらないから限定を取る。
(限定で)上手い子が来ると前列に置く。
そうするとどんだけ頑張っても上手い人が(限定で)来たら前取るんでしょ?
ってなったら頑張る理由が見つからなくなっちゃうから元々いたメンバー、
中にはほんとにチームの軸だった正規メンバーが辞めてっちゃう。
そういう負のサイクルが生まれちゃうから限定を取らないっていうチームが一個あってもいいはずなんですよ。限定の敷居を高めたい。
どま:そこがこだわりであり強みであるんだね。
高知よさこいだとそれがメインじゃんね。主要メンバーだけ固まっててそれ以外は公募で集める。
引用:https://gurutabi.gnavi.co.jp/a/a_2536/
それはたぶん審査っていうもの、他チームと競い合うみたいなところを重要視していない(そもそも目的が違う)ところがあるからそれで成り立っているんだけど、
どまつりに出ているチームの一部は、
「賞を獲ることが素晴らしい、賞が全て」みたいなコンテストのために頑張っているっていうチームが多くて、
ってなると演出のために人数の確保っていうのはマストじゃんね。
だから限定に頼りたいっていうのもわからんでもないけどそれっていうのはある意味エナジードリンク飲みまくって短期的にブーストしているようなもんで、
それが切れたらどっと反動が来るみたいなもんなんだね。
3.一番は正規メンバーを大事にすること
たくみ:大事にしなきゃいけない正規メンバーを大事にするためにはどうしたらいいかって考えたら、限定を取らない。
限定を取ると踊りに来た子たちのために指導で誰かつけなければいけないじゃないですか。
するとメンバーが潤沢にいるなら別ですけどそうなると練習の目標や質が下がっちゃいます。
そもそも三河っていうエリアはその限定を取るための足場が整う地域じゃないんですよね。
踊り子の絶対数頭数が少ないんで。
そこに正規メンバーを割いて限定の子が前で踊ってる。
自分が振り落としをしたのにその子が前で踊ってるとどんだけ頑張っても報われない形になっちゃって満足感が得られにくい環境になってっちゃうんですね。
だからメンバーを大事にするのであれば限定を取らない方がいいかなって。
結果的には限定を取らないからこそ、入ってくる子たちも増えましたね。
実際限定取ってたらうちに入らないだろうから多分メンバーは今の半分くらい、10何人くらいしか留まってないと思う。それが今30人そこそこいるから。
どま:「うちのチームで踊りたかったら正規になってね」っていううたい文句なんだ。
ーーーーー
・・・と今回はここまで!!
「限定を取らない」というテーマで話をまとめたら
「いかん!どまっぷも言いたいこと出てきたわ!」ていうのでかなりボリューミーになった結果、
「こりゃ2回に分けんといかんわ!」っていうことになりました。
かと言って内容は読んでいただいた通り濃いですし、
チーム運営としてとても考えさせられるものだったのではないでしょうか。
チームはどうあるべきか。
メンバーにはどうなってほしいか。
お祭りに挑むスタンスは?とか。
賞を目指すのは何のため?とか。
今一度考えてみるとよいのかもしれませんね。
さて、次回はその続きです!
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