2020年12月19日・20日とオンラインで開催されました第21回こいや祭り。
みなさんご覧になられましたか??
今回はオンライン開催のこの第21回こいや祭りを観て思ったことを書いていきたいと思います。
直接お祭りには関係のないことではありますけど(;^_^A
目次
1. 第21回こいや祭りについて
こいや祭りはそもそも聞くところによると事務局は大学生で構成されているようです。
(違っていたらすいません)
そして以前嘉們-KAMON-さんのインタビューでもありました通りKSCというこいや祭りスペシャルコーポレーターの協力の元運営されています。
もちろんその他にもスポンサー企業様やその他たくさんの協力者様がいらっしゃいますが、メインは学生であり、言うなればよさこい学生祭典、よさこい大文化祭、とも呼ぶべき印象を受けます。
今年はコロナ禍のあおりを受け、毎年9月に開催されていたスケジュールを大幅に変更し、今回のオンラインでの開催となりました。
しかも元々スケジュールにもありました、大阪城音楽堂会場での無観客現地開催(生配信)もコロナ第3波による外出自粛要請が12/29まで延長されたため直前での中止判断と、恐らく直前までかなりバタバタしたのではないでしょうか。
そんな中事務局の皆さま本当にお疲れ様でしたm(_ _)m
そして楽しい時間をありがとうございました!!
2. ”名古屋化”という言葉
さて、こいや祭りのYouTubeを観ていたらとあるコメントがすっごい興味を引きました。
それはある学生チームの演舞についてのコメントで・・・
「演舞が名古屋化してから良くなった」
っていうものでした。
名古屋化??って思ったのでこれについて考えていきたいと思います。
(単純にこの言葉が面白いなって思っただけです。名古屋で活動していてこういう言い回しは聞きませんでしたし。特にこのコメントの投稿者様に何かあるとかじゃないです。)
ーーー
引用:https://www.domatsuri.com/2019/fes/final.html
名古屋化っていうのは詰まるところ「どまつりっぽくなった」ということですよね。
そして「〇〇っぽい」っていうのはそこの有名どころを観れば傾向はつかめます。
つまりどまつりのファイナルによく出ているチームっぽいと言い換えることができます。
そこから考えると、
〇 衣装が群舞パート・特殊パートなど数種類に分かれている
→ パートによって衣装が違っていたりします。それは「色違い」ではなく衣装そのものが違うことがほとんどです。中には1人だけ違う衣装、という場合もあります。
〇 曲の後半で衣装替えがあり割と一瞬で衣装替えをする
→ 法被を脱いで腰で縛るとか、たすき掛けするとかではなく一瞬で衣装替えが出来てしまうような仕掛け、お見事です。よくあるのは回りながら身頃の布を一枚外すやり方です。
〇 隊列移動が多く、構成や全体美などで魅せる
→ 各シーンの切り替えごとに隊列がめまぐるしく変わります。大体真ん中にそのシーンの主役が、両サイドには主役を引き立たせるような群舞パートがいます。
〇 大道具、特に背景としての大幕の出番が多い
→ ステージでもパレードでも大幕を使います。しかも1枚ではありませんし最近では大幕自体がガラッと衣装替え?することもよくあります。
〇 鳴子は使わず、提灯、扇子、その他小道具が多い
→ これはどまつりのルールから鳴子が除外されたこともあるでしょうけど、それより前でも鳴子は持っていないか、一部のパートだけ持っているというのが主流でした。また最近では作品のテーマに基づいた小道具を自作して持つこともありますね。
というところではないでしょうか。
つまり“演舞(=踊る)”というよりかは”披露する”ニュアンスが強いということです。
また、パレードなどでも空~Qou~さんのインタビューでも仰っていた、
どまつりって決めてるじゃないですか。
ここスタート。
ここゴール。
2本目ここから。
これってステージじゃないですか。だからパレードという名のステージを道路上でやっているだけ
というようにあくまでステージが作品づくりのベースになっているようです。
以上のことから”名古屋化”っていうのはそういう、お客さんに魅せる演舞、披露する演舞、というスタイルになる、と言えそうですね。
3. 反対の言葉って何??
次に反対の言葉について考えてみます。
“名古屋化”について先ほど触れましたのでその逆ということになりますね。
“高知化”??
まぁ単純に名古屋化の逆っていうとそうなるかもしれませんね。
それこそ空~Qou~さんはチーム設立10年を機に高知化したチームさんですね。
もちろん”高知化”という言葉はありませんからね。
〇 衣装が1色もしくは”隊列によって”2色
→ いわゆる”特殊パート”のような数人だけ色違いなどではなく全く異なる衣装っていうのはありません。あっても奇数偶数列で色違いが多いですよね。
〇 衣装替えはほとんどしない
→ 今まで高知のよさこい祭りに何度も足を運んでいますが衣装替えをするチームさんってほとんど観ません。それは恐らくそうする必要がないからだと思っています。
〇 隊列移動は構成美というよりも全体感、グルーブを出すような
→ 細かいパート分けによる全体美、ではなくあくまで群舞。そしてその群舞が巨大なグルーブを巻き起こし、圧倒されます。
〇 大道具、特に背景としての大幕はなく強いて言えば”大きなフラフ”ぐらい
→ 流し踊りが主体の高知のよさこい祭りにおいて大道具を使って背景を演出して、というのはナンセンスかもしれませんね。
〇 鳴子を持ち、鳴らし、提灯、扇子、その他小道具もある
→ 全員鳴子を持つ。そしてちゃんと鳴らす。よさこい祭りでは至極当たり前のことですね。
もちろんどちらが上とか下とか良いとか悪いとかそんな議論の話ではないし、そんな議論に何の価値もありませんよね。
ただ間違いなく言えるのはよさこいの発祥は高知県。
そこから影響を受けて北海道でYOSAKOIソーラン祭りが、
YOSAKOIソーラン祭りの影響を受けて(そこだけではないけど)愛知県にはにっぽんど真ん中祭りが、
誕生したという流れは事実です。
また、名古屋化・高知化とまではいかないまでも名古屋化と高知化の中間のようなチームさんも多いですね。
〇 衣装は1種類か2種類
〇 隊列移動などはどちらかと言えば名古屋化に近いかも
〇 大道具なども使わない
〇 鳴子は持ってたり持ってなかったり(鳴らしたり鳴らさなかったり)
〇 何より元気いっぱい
このような感じでしょうか。学生チームに多い印象です。
恐らく今回のYouTubeのコメントの「名古屋化してから演舞が良くなった」というのはこのような中間の学生チームさんが名古屋化したことにより作品として見栄えが良くなった、ということなんだと思います。
4. 最近の演舞の傾向
名古屋化と高知化の比較をすると、踊る側のお祭りに対する考え方に違いを感じますね。
“名古屋化する”ということは上でも書きました通り、
魅せる、披露するというニュアンスが強いので振り付けの難易度や隊列移動の複雑さ、お客さんをアッと言わせるギミックをいかに盛り込むか、が鍵になります。お客さんはそれを観て楽しみます。
“高知化する”ということはそのような視点ではなく、
チームメンバー全員の一体感(振り付けや色も含めて)、グルーブ感で、披露するというよりかは自分たちが楽しむ、そしてその楽しさが伝染しお客さんも楽しむ、というところ。
この違いがあるのかなと思います。
前者はショーとしての楽しみ方があり後者はお祭りとしての楽しみ方があります。
何度も言いますけど良い悪いじゃなくてただの違い、ですからね。
そして最近はその名古屋化と高知化の中間ぐらいにいた学生チームさんが徐々に名古屋化していきているのでは?という印象です。
それは学生の踊り子の憧れはやはりファイナルに出場するようなチームであり、ファイナルの舞台はキラキラと輝いていて、そこに立ちたいと思っているからだと思います。
高校生の部活で言うと「インターハイに出て全国目指そう!!甲子園目指そう!!」というような。青春ですね。
ある時期のよさこいの楽しみ方のひとつとも言えます。
・・・ってか「こいや祭り」とタイトルにつけたのですがこいや祭り自体にはほとんど触れなかったですね・・・笑笑
でも個人的には関西のチームさんはどまつりチームと比べて学生チームさんが多いからか、どのチームさんもものすごくパワフルなところが多い印象でした。
だからただ名古屋化する、どまつりのファイナルチームっぽい作品をつくるだけではなく、大阪特有のパワフルさも兼ね備えた、言わば「第二の嘉們-KAMON-さん」のようなチームが現れるのか、
もしくは全く別の方向から新しい価値を提供するチームさんが現れるのか、
これからの関西のチームさんがこいや祭りを観ていてとっても楽しみになりました!!
終わり!!
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