前ブログ、
では作曲家から曲が届いてから、
やってはいけないことについて説明しました。
まだ見てない方は是非ご覧くださいね。
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さて、今回は前ブログの失敗例を踏まえそこでも書いた、
「大事なこと」
つまりタイトルにもあります、
振り付けをする前にやらなければならないたった1つのことについて
解説しますね。
◻︎たった1つのこととは
前ブログでも例えに用いた料理を再度用いますけど、
イキナリ振り付けをはじめること、
それは言うなればレシピのない料理を作ることです。
と言いました。
ということはやることはたった1つ。
レシピを書くこと
です。
レストランで提供される料理、例えばそれが三ツ星認定されるような一流シェフの揃った高級レストランの料理からスーパーで売っている誰でも出来るCo◯kDoの麻婆豆腐の元まで全ての料理には、
レシピがありますよね
これは作品をつくることにおいても同じです。
この「作品づくりにおけるレシピ」は、
「構成表」
と言います。
この構成表には料理に戻しますが、
- ・食材は何を用意するか
- ◯◯産なのか△△産なのか◻︎◻︎産なのか
- ・その食材をどのようにカットするか
- ・カットした食材をどのように調理するか
- 炒めるのか焼くのか蒸すのかはたまた生のままなのか
- そしてその時間は、火の強弱は、
- 油はサラダ油かオリーブオイルかごま油なのか牛脂なのか
- ・調味料は何をどのタイミングで加えるか
- ・盛り付けのお皿はどれか
- ・食後のコーヒーの豆はどこ産の豆を使うか
- ・何をどのような順番で提供するか
など1品ごとの料理のみならずフルコース料理前菜から食後のコーヒーまでの全てのレシピのことです。
それは最早ただのレシピに止まりません。
作品づくりに戻しますが、
つまりそこにはテーマ、コンセプト、メッセージなどその作品の全てがそこに記されていると言っても過言ではありません。
言わばチームの門外不出の書、秘伝の書です。
つまり作品づくりとはそれだけ繊細な、ロジカルなものだということです。
それを何?
構成表もなしに頭の中だけでイキナリ振り付けはじめちゃう??
んなあほな(ーー;)
そんな怖いことよくできますね、っていう感じ。
さっきのフルコース料理における構成表、レシピを作品づくりに置き換えてみると、
- ・チームの色は
- ・今作のコンセプトは、伝えたいメッセージとは
- ・1曲通してどこで盛り上がり、どこで落ち着き、どういうラストか
- ・そこにどのようなシーンを盛り込むか
- ・そのシーンに大道具小道具等の演出をどのように入れ込むか
- ・全体を通して衣装はどのような色の変化をつけるべきか
- ・様々なギミック(衣装替えや大道具など)はどのような展開をするべきか
- ・特殊パートや隊列移動はどういうシーンでどのように効果的に使うか
- ・地方車はどのようなデザインにすべきか
- ・この作品には何人が適切か
- ・上記をどのようなスケジューリングで作り上げていくか
- ※あくまで一例です。
- 作品づくりにおける全ての要素がそこには詰め込まれています。
これらをしっかりとチームメンバーで話し合って資料にまとめること。
それこそが構成表で、チーム外秘の秘伝の書なわけです。
◻︎構成表を作ることが何故大事か
作品とはチームのその年の「顔」なんですよね。
顔とはメッセージのことです。
しかもそのメッセージは「文章」ではありません。
それは踊りであり、衣装であり、大道具小道具などのギミックなんです。
少し語弊のある言い方かもしれませんが、それら「そのもの」にはあまり意味がありません。
あくまで「表現媒体」です。←これ重要。
そう簡単にはお客さんに伝わりません。
だからこそキチンと構成表を作り、
「作品を通してこれをこのようにして伝えたいんです!!」というメッセージを上手くお客さんに伝えるための戦略書、戦術書となるわけです。
あくまでメッセージを届ける相手、お客さんありきなんです。
お客さんを無視した作品、レシピがない or あっても作りが甘い作品、
は残念ながらただの自己満足の作品です。
伝えたいメッセージなんて伝わるはずありません。
◻︎最後に
プロの世界では作り手、踊り手の個性を際立たせるために敢えてしっかり構成表を作りこまず、
感じたままの踊り、感じたままの表現をし、それが評価されることもあります。
ただ僕らの戦場?はお祭りです。
言い方は失礼かもしれませんがお客さんは素人です。
伝わらないと何も意味がありません。
僕らは総じてお祭りでお客さんに観てもらうことで評価してもらっています。
繰り返しますがあくまで「お客さんありき」です。
だからお客さんに分かりやすい、伝わりやすい作り方、魅せ方をレシピとして、構成表として、
しっかりと考え抜かなければならないんです。
じゃあその構成表とやらはどうやって作ればいいのか。
それについては次ブログにて説明しますね。
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