チームインタビュー11チーム目、嘉們-KAMON-さんの6つ目の記事です!!
全6回に渡る嘉們さんのチームインタビューも今回で終わりです!!
ラストを飾る記事は、過去5回に渡るインタビューのまとめでもあり、嘉們さんのチーム運営の源でもあるチームマネジメントについてお聞きしました。
よさこいはダンスと違ってとっても多い人数で練習をしてミーティングをして本番踊ります。
その中で言い方はさておきメンバーを”コントロール”することはスタッフの大事な役割のひとつでもあります。
嘉們さんはどのようにメンバーをコントロールしているのか、マネジメントしているのか。
そこには結成当初から変わらない思想がありました。
それでは!!
第6回に渡るチームインタビューラストを締めくくる「嘉們さんのチームマネジメントについて」!!
よろしくどーぞー!!!!
目次
1. チームマネジメントの2つの考え方
ーーー今嘉們さんって、メンバーは何人いるんですか?
中山 : 団員として登録している人数は約200名ですね。
ーーー200名!?すごっ(゚д゚)!
それだけの登録メンバーっていう大所帯の中で、チームマネジメントはどのようにしているのかなって気になります。
その点で意識していることはありますか?もしくは逆にまとめてないとか?
そういちろう : もしかしたら「まとめてませんよ」っていう表現になっちゃうかもしれません。200人まとめてますかって聞かれると、あんまりまとめてないです。笑
例えばどまつりに出るメンバーが80名いるならそれを「実働メンバー」と呼んでいるんですけど、実働メンバーをとにかく大事にしていて。
それでチームが前に出て輝いていれば、今はなんか事情があって活動できてへんメンバーもいつかは帰って来てくれたりとかもう1回やれるタイミングで帰ってきてくれるもんやと信じています。なのでまずは実働メンバーを大事にして、嘉們を帰ってきたくなる場所にしています、という前提がありつつ・・・。
他のチームさんとはちょっと違うかもって思うのが2点あります。
①その時のメンバーがベストパフォーマンスを上げられる組織編制であること。
②やりたい人間ややれる人間がガンガン前に出れる環境であること。
・ その①
【その時のメンバーがベストパフォーマンスを上げられる組織編制であること】
その時その時で僕らが「班」(クリエイティブ系→振り班、衣装班など。マネジメント系→会計班、人事班など)と呼んでいる枠組みの数や種類がめちゃくちゃに変わります。変わるスピードが速いです。
それぞれ班長の持ってる仕事も、増えたり減ったり変わったりがめちゃくちゃあるんですね。
「A班長からB班長へこの仕事を移します」とか。
「この班長の仕事は絶対これです。」ってあんま決まってないんですよね。
おそらくなんですけどありがちなのが、「この仕事をやる班はこの班なんで、誰々をこの班長にピックアップします」だと思うんです。けど僕たちはその時の人ありきなので、
この仕事をやるのがこの班、この班長って決まってないんですよね。
「あなた〇〇班の班長だけど、この仕事得意だし任せます。代わりに元々あった仕事は他の子が得意なのでその子に振ります。」とか。
これが1年単位、早くて3か月単位で付け外しが行われます。
おもろいですよ、こいつに振ったらこんな仕事の進め方するんやとかこんなアプローチあるのね、とか。いいものを採用して次に引き継いでいきます。
ーーーそれは初代からそういう流れでやっているんですか?
ざっく : そうですね。めちゃめちゃ変わります。
初代とかは少ない人数で回さなきゃいけない環境だったのでそういった編成っていうのは自ずと必要になってくるのかなと思うんですけどそれを今の大所帯でも続けているってイメージですね。
そういちろう : これがなんでかっていうと、嘉們はそれぞれの班長が、どの班長であろうが全員関係なく、嘉們という組織の全決定権を持っているんですね。団長だけじゃないんです。
よくあるのが「振り班長だから作成班長だから、作品づくりに関する班長だからチームマネジメントに関するところはそっちにお任せします」とかだと思うんですけどうちは全然関係ないんですよ。
やから、班長という立場の人に、〇〇のスペシャリストって人は少ない気がします。
チーム単位で色々見れるゼネラリストが欲しいんです。スペシャリストは班長じゃなくてチームリーダーって形の起用が多いですね。〇〇班管轄の△△チームみたいな。
例えば、2018年には作成班、衣装班、旗班がそれぞれあったのを、2019年は作成班管轄の振りチーム、衣装チーム、旗チームにしました。
作成班長の権限で、振りも衣装も旗も管轄しますよというような。当然振りは僕が主に担当して衣装と旗はチームリーダーに大方任せますが、そうすることで衣装と旗のチームリーダーは嘉們全体を見なければいけないという仕事が減ってプロフェッショナルとして働けますよね。そういう組織改正を延々とやってます。
ーーーかなりフレキシブルに編成されているですね。そこまで短いスパンで編成が変わるっていうのは初めて聞きました。
・ その②
【②やりたい人間ややれる人間がガンガン前に出れる環境であること】
そういちろう : わかりやすく言うとうち出世が早いんですよめちゃくちゃ。
たとえば、副団長(副代表)クラスやと、在籍何年、チームのこともだいたい何でもわかります的な人がなることが多いと思うんですが、今の副団長である椿くんは入団2年目で副団長(1年目で初代人事班長)になってるんですよね。なんともう一人の女性の副団長は入団半年で就任してます。
これは1つめの組織編制部分にも関わってくるんですけど、今の嘉們に必要だなって感じた班やチームは年度中でもすぐに出来てきます。
〇〇班って必要じゃない?じゃあ作ろうか。班長募集かけようかみたいな。そんなスピード感です。在籍期間関係なくいきなりトップに抜擢されることがあります。
ーーーすごい。それはおもしろいですね。外資系の会社みたいな。
・ 2つをまとめると・・・
そういちろう : その2点総括すると、ベンチャー風土を大切にしようってのがあります。
それって多分どのチームも結成当時は持ってる意識なんですけど大所帯になればなるほど、この班はこの仕事、この仕事はこの班みたいに縦割りになってくるんちゃうかなと思います。
うちは忘れかけたときにベンチャー風土大事にしようよって言い続けてるんで、スピード感や新しいことへのチャレンジ、上を目指していく成長意欲みたいなものはこの風土を意識したものかなと思います。
ーーーそのように新しい班ができたときに、やりたいって言いだせばその人が班長になれるんですか?
ざっく : すぐに、ではないですね。そこは考えたりもしますね。
椿 : 班長が全ての決定権を持つので、幹部になる人間は立候補が1人であってもすんなり取るわけではないですね。幹部クラスで議論した上で決定といった形になります。
ーーー逆に班長になってしまった子を下すときの判断基準ってなんですか?
椿 : 判断基準としてはやや抽象的ではありますが、団員からの信頼の失墜が確認されれば降ろされることになります。これについては嘉們の規約で規定されております。
そういちろう : 当人がその仕事においてやる気を持ち続けてくれてるのであれば、その気持ちを尊重してますけど、結果が出てない場合はやっぱり質問攻めにあいます。
「あなたこの仕事受け持ってるけど、この部分で結果が出てないよね。これからどうしていくの?」って。
それに対して、どうやって努力するのか、結果への明確なプロセスが提示できなかった場合は・・・展開が難しいですよね。
嘉們という組織はメンバーの時間とお金貰ってやっとることやから、上は結果出さないと。
まだやりたいって言っとるけどできへんならどうするん?って聞かれて、答えられんかったら降りるしかないんちゃいますか。笑
幸いまだそんなことは起こってませんけど。
ーーーすげー・・・・(すごすぎて言葉が出ない)
そういちろう : やりたいって言ってるのにできないんだったら、あなたの権限を他の誰かに移して、その人の下でチームリーダーとして、スペシャリストとして頑張ったらどうかという提示はしますよ。
絶対に班長である必要はなくて、誰しも向き不向きがありますから。たまたま班長には向いてなかっただけ。結果でやんだら次質問攻めくらうの付けた先の班長ですけど。笑
ーーー会社ですね、会社の面談ですね。組織力が強いのはそこから来てるんですね。
そういちろう : 頭パーパーに思われてても、意外とそういうとこしっかりしとると思います。笑
ーーーみんな信頼しあってるからこそ、忖度なしでなんでも言い合えるという空気なんですね。
2. バランスも大事
ざっく : それはそうですね。ただ、会社的にチームを運営していこうっていうチームさん、特に最近だと増えてきていると思うんですけど、形式的にそういったマネジメントをうちがやってたとしてもそれをいかにメンバーに「これなんか会社みたいじゃね?」って思わせないようにしてる面もあります。社会人になって趣味の中にも会社を感じちゃうと楽しくないので、そこはバランスよくやっているのもありますね。
「うちは会社的な組織運営だけでやってるよ」ってメンバーが感じてしまうと、それはそれでメンバーたちが自らの意思でやってるっていう自主性も少なくなっちゃうし、あまりドラマが生まれないのかなって個人的には思ってます。
そこはしっかりとした組織的なマネジメントを考えるやつとか、熱い感情論のやつとか、そこをうまいことすり合わせてるのが幹部メンバーたちなんじゃないかなって。
ーーー「ドラマが生まれない」。良いセリフですね。
そういちろう : ザックさん、ドラマ好きですもんね。
ざっく : よく言ってるもんね。笑
ーーー嘉們の中にドラマありですね。
嘉們さんみたいなチーム運営されてるところは、自分の知る限りはないですね。
以前インタビューしたinviteD….さんで理念をしっかり持とうというお話があったくらいですね。
先ほどの日本の大企業の様な組織編制、運営ってのはまさにその通りだなと思いました。
これいろんなチームさんが嘉們さんを見習ってやり始めそうですね。
そういちろう : 理念や思想がみんなに根付いているかどうかで一見冷徹に見える組織体制の中でもドラマが生まれるか生まれないかってのはあると思いますね。そこさえしっかりしてれば、理念や思想、その時のチーム目標の為に最善の方法を選ぶということに納得がいくと思うので、そこにどんな人事判断があろうと、それが今の嘉們に必要なことやと理解してくれると思います。
3. 参考にしているもの
ーーーいやすごいです。でもそういうやり方って、何か参考にされたんですか?
それか元々いたチームさんの方法だったのか何かあったんですか??
ざっく : 嘉們のチーム運営の核になるポジションになった人たちにとって、それぞれに参考にするものがいろいろあると思うんですけど・・・なんでしょうね。
そういちろう : 自然と、やと思いますけどね。今のベストを選んできた結果が嘉們にとって動きやすい形をつくったと。
みんな参考にしているものがあるんちゃいますかね。僕が特に勉強になったな~と思うんはこれです。『マーケティングとは組織革命である』これはおすすめできます。
(インタビュー後に早速買いました笑)
中山 : 営業してきた笑
ーーーけっこう厚い本ですね。それはここのメンバー(インタビュ―参加してくれた方々)は読んでるんですか?
一同 : 読んでないです!
ーーー笑笑
ざっく : 僕の参考書籍は『ワンピース』です。
ーーー仲間ですね笑 とてもドラマがありますね笑
『マーケティングとは~』の著者はUSJをV字回復させた立役者の人なんですね。読もう。
やはりみんな勉強してるんですね。
4. 今後のチームの方向性
ーーー最後の質問になるかと思います。今後の方向性を教えてください。
中山 : 方向性はですね・・・あれ、今聞こえてますか?
一同 : トラウマやん笑
中山 : 一番最初にお話しさせていただいた目的、「全国のお祭りを盛り上げる団体」を目指していくってところに尽きるかなと思います。
今回のテレどまつりという新しい経験を得て、またwithコロナの生活の中で、動画や映像を用いて全国の会えないお客さん、世界のお客さんにも多くの方に楽しんでいただけたらなと思います。
もちろん以前のようなお祭りが復活したら、全国のお客さんに会いに行けるように準備していこうと思ってます。これからどんな地域で、どんな方々と一緒にお祭りを盛り上げる事ができるか、とても楽しみです!!
ーーー個人的に、嘉們さんにはUSJのパレードとかで踊ってもらいたいですね。絶対合うと思います。
引用:https://usjguide.com/post-3261/
一同 : あー踊りたーい!!
ーーーWow!!SAKA!MoooveMent!!観た時パッと出てきましたもん。踊ってそうって笑
それくらいのところまで目指してほしいですね。エルモの後に続いてほしいです笑笑
一同 :笑笑頑張らなきゃいけないな笑
ーーーということで3時間に渡る長丁場インタビューありがとうございました!!
ーーーーー
ということで嘉們さんの最後の記事でした!!
このスピーディな班編成をこのチーム規模でできるということはとってもすごいことです。
その根底には恐らくメンバーの嘉們愛が強いのではないかなと思ってます。
でなければ「えー!また編成変えるのー??」というクレームのようなものが出てきてしまい、なかなか上手くいかないケースがあるからです。
冒頭で「まとめていない」という表現をされたのは仕組みでチームをまとめなくてもメンバー自体が「嘉們を盛り上げていこう!!」という気持ちで動いているのではないかと。
一言、「流石だな」というところです。
これを読んでくださっているみなさんのチームは、どのような編成でチームをマネジメントされていますか??
ちなみに今回の嘉們さんの運営方法を取り入れろ、と言っているのではありません。チームの状況はチームによって異なります。
今回の大事なことは、「常にチーム状況を俯瞰的に見る視点を持つ」ということではないでしょうか。
チームの状況を常に把握し、必要であれば思い切って編成を変えてみる、やり方を変えてみる、ということがチームをより強くしていくのではないかなと感じました。
・・・ということでまとめが更に長くなりそうなので後日別のブログで書きたいと思います笑
嘉們さん改めましてありがとうございましたー!!
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